乾癬治療に最も理想的な光線治療(308nmエキシマライト光線治療 )

現在、308 nm エキシマライトは,乾癬治療に最も理想的な光線治療といわれている

尋常性乾癬は,遺伝的素因(HLA-Cw6など)を背景に樹状細胞やTh1細胞,Th17細胞などを介した種々の免疫学的異常を呈する慢性炎症性皮膚疾患で,感染やストレスなどの環境因子により増悪することが知られている。
現時点では,本疾患は完治,ないし長期にわたる寛解を維持することが困難な皮膚疾患の一つといえる。近年,乾癬の病態に関する理論はTh17を中心として数多くの報告がなされ,シクロスポリンによるT細胞抑制作用が認められて以来,免疫学,分子生物学の発達により一つの分子に標的を絞った生物学的製剤の開発がこれら理論の礎となったことはいうまでもない。
Nickoloffらは,乾癬の病態においてT細胞や角化細胞の異常により樹状細胞やマクロファージから放出される腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)-αやインターロイキン(interleukin;IL)-23,さらにIL-23により誘導されるTh17,STAT3を活性化するIL-19とIL-20,IL-24,表皮増殖能を有するIL-22などの重要性を報告している


皮膚科では、乾癬の紫外線療法で使用される紫外線治療器は大きく二種類に分けられています。
一つは、ナローバンドUVBという、特に311nm付近に限られた波長の紫外線を照射する紫外線治療器であります。
もう1つはエキシマライトという308nmに限られた紫外線を照射するエキシマライト光線治療器で、主に症状がある部分だけを局所的に治療することが可能であります。

ナローバンドUVB紫外線治療の場合、照射エリアに応じて、全身型、半身型、局所型、手足型、ターゲット型といったタイプがありますが、エキシマライト光線治療につきましては現在のところターゲット型のみが普及しております。

エキシマライト(紫外線療法)

エキシマライトとはXeCl(キセノンクロライド)光源を用いたUVB照射装置で、308±2nmの単波長を選択的に高出力で出す器械です。
エキシマ紫外線療法は、照射率・輝度(光の強さ)が高いという特長があり、効率よく光を皮膚に届けることができます。輝度の高い紫外線療法は、従来の紫外線療法に比べ高い効果が期待できます。症状の出ている分だけに照射することができるので症状に合わせて細かく照射することが可能です。

重度の乾癬やアトピー性皮膚炎、白斑などの疾患において、標準的な内服・外用薬で効果が不十分な患者さんに対しては、UBV療法またはPUVA療法といった紫外線療法を追加で行うことでより良好な治療効果を上げることができることは従来から知られていました。
しかし、その後の欧米の研究で、中波長紫外線領域中の非常に幅の狭い波長域(311±2nm)のナローバンドUVB紫外線のみでも乾癬に有効であることが判明し、重度のアトピー性皮膚炎や白斑、掌蹠膿疱症などの難治性疾患においてもその有効性が実証されました。
この治療で使用する波長域(311±2nm)は、従来の紫外線療法の波長に含まれる紅斑、やけどなどが誘起されやすい波長域がカットされているため、より安全な治療であるといわれています。さらに近年、病変部のみに照射できるため健常皮膚へのダメージがより少ないエキシマライト療法(ターゲット型紫外線療法)も行われるようになりました。
これらの治療器は大学病院などでは取り入れている施設もありますが、中小規模の病院やクリニックでは取り入れている施設はまだそれほど多くありません。

現在、308 nm エキシマライトは,乾癬治療に理想的な光線治療といわれています。
乾癬に対して,313 nm,334 nm,365 nm,405 nmでは,313 nm が最も効果があり,また,254 nm,280 nm,290 nm,296 nm,300 nm,304 nm,313 nmで,296 nm 以上であれば,紅斑反応を生じる照射量で乾癬に効果がみられたが,290 nm以下では紅斑反応が生じるのみで乾癬に効果がみられなかった.313 nmのみが,紅斑を生じる照射量以下でも効果が見られた.すなわち,313 nmでは最少紅斑量(minimal erythemadose,MED)以下でも,乾癬に効果があることが明らかとなり,最少紅斑量(minimal erythema dose,MED)を基準とすナローバンド UVB のスタンダードレジメンという照射方法が確立するに至った5.
この結果から,各波長の乾癬の治療効果が確認できる最少光量(minimal psoriasis treatment dose,MPsD)が得られるが,その逆数(1/MPsD)を取ることで,波長ごとの効果を示すことができる.同時に,MED の逆数(1/MED)を取ることで,波長ごとの赤くなりやすさ(紅斑反応の起こしやすさ)を示すことが出来る).乾癬に対する効果波長(1/MPsD)と紅斑作用波長(1/MED)には差があることがわかり,効果波長のピークは 300 nm よりすこし長い波長にあることが明らかとなった.波長が短くなれば,発癌性の問題もあり,過剰な紅斑反応を引き起こし,治療上の大きな問題となり,効果波長と紅斑作用波長をわることで,赤くならなく(なりにくく)治療効果が高くなる計算値を推定した60).303 nm,305 nm,307 nm にピークがあり,長波長側で紅斑作用が少ない波長を選ぶとすれば,307 nm となる60).あくまでも計算値であるが,効果の点から考えれば,308 nm エキシマライトは,乾癬治療に理想的な光線治療と言えるだろう。

308 nm エキシマライト乾癬治療の作用メカニズム
エキシマレーザーの 308 nm光は角化細胞、色素細胞、線維芽細胞の DNA をターゲットとします。そして T 細胞のアポトーシスを誘導し、T 細胞の増殖を抑制します。これらによって乾癬などの炎症性疾患やリンパ腫に有効とされています。

皮膚科の308 nm エキシマライトの種類

乾癬の紫外線療法の絶対禁忌・相対禁忌

① 絶対禁忌
1、皮膚悪性腫瘍の合併あるいは既往歴のある者
2、 高発癌リスクのある者(dysplastic nevus syndrome,色素性乾皮症,過去に砒素の内服や接触歴,放射線(電子線・ X 線)照射歴のある者など)
3、 顕著な光線過敏を有する者(色素性乾皮症などの遺伝性光線過敏症,白皮症,ポルフィリン症,光線過敏性膠原病など) 内服 PUVA の場合
4、 妊娠中あるいは授乳中の女性
5、 シクロスポリンやメソトレキサート治療中またはその既往がある場合

② 相対禁忌(避けたほうが良い症例,実施の際には厳重な経過観察が必要)
1、 光線過敏がある場合,光過敏性を有する薬剤,免疫抑制薬を服用中の者
2、 白内障,光線増悪性自己免疫性水疱症(天疱瘡,類天疱瘡など),重篤な肝・腎障害を合併する者(ただし内服 PUVA)
3、 ソラレン過敏症,日光照射・PUVA 治療で乾癬の症状が悪化した既往を持つ者
4、10 歳未満の者(ターゲット型光線療法は除く)

皮膚科で使用されているエキシマライト光線治療器

1、エキシマライト-マイクロ

1、エキシマ-システム308

家庭用エキシマライト光線治療器登場
紫外線医療技術の進歩によりエキシマレーザーを放射する機器の小型化と高出力化が進み、在宅でも可能な治療となってきました。
ご自宅で使用できる家庭用エキシマライト光線治療器を安く買える

商品名:家庭用エキシマライト光線治療器
価格:298000円
数百万円の皮膚科器械と比べ、非常に安いだと思います。
光源:皮膚科器械と同じ塩化キセノンガス励起エキシマライト
波長:308nm
照射強度(輝度):35mW/cm²
エキシマライト光線治療器の輝度はナローバンドUVBより10倍強いです。
適応疾患:乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑(白なまず)、円形脱毛症、掌蹠膿疱症、皮膚T細胞リンパ腫(悪性リンパ腫)など
スポットサイズ:4.5cm×4.5cm(20cm²)
家庭用ナローバンドUVB光線治療器の仕様は、こちら(家庭用光線治療器・個人輸入)

エキシマライト光線治療が、ナローバンドUVBに比べて輝度(照射率)が高いのが特長です
照射量(mJ/cm2)=照射輝度(mW/cm2)×照射時間(s)により、輝度が高いほど、同じ照射量を短時間で得ることができます。
エキシマライト光線治療で、早い寛解・掻痒感の減少
白斑、乾癬、円形脱毛症などで、効果の発現が早いことが報告されており、早い寛解や掻痒感の減少が期待されています。