冬の時に、乾癬が悪化する可能があります

夏が終わり、そうそろ冬になります。
今回は、乾癬が冬の時に、乾癬が悪化することについてお話します。

乾癬がなぜ冬に悪化しやすい。
冬は、乾燥の季節ですので、肌が乾燥することで乾癬症状が悪化してしまいます。
乾燥の原因に加えて、冬は日照時間が短いので、紫外線をあびる時間が減少するため、乾癬治療に必要な日光が不足することにより悪化します。
※乾癬が悪化することになったら、ナローバンドUVB光線治療を受けることをお勧めします。
また、年末、年始のイベントに加え、クリスマスなどの美味しい食べ物が目白押しのイベントが盛りだくさんなので、普通に生活しているだけで不摂生になります。

年末、年始には、遅くまで起きている人も少なくないので、生活習慣も乱れてしまいます。
そのような生活によって、乾癬が悪化する条件が全て整ってしまいますね。
また、冬は寒いので、汗をかきにくく、運動も一般的には減少傾向のため、老廃物が溜まりやすいことも要因の一つだと考えられます。
汗をかかないことにより水分もあまり取らなくなるので、体内の潤いが減り結果して肌の乾燥にもつながるため、やはり乾癬悪化原因になってしまうんですね。
悪化する理由は、いろいろがありますが、
対策としては
保湿クリームをよく塗ったり、水分を補給したり、睡眠を取ったり、外食をしすぎないことをしたり、したほうが良いだと思います。
乾癬は、冬こそ頑張って乗り切らねばならない季節ですので、いつも以上に気を引き締めて治療に取り組んでいきましょう。

乾癬治療に新薬の開発に希望をもてます

乾癬の原因が表皮中の物質にあることを解明 -新しい治療の標的は皮膚の表面にある-

2018年08月16日
椛島健治 医学研究科教授、松本玲子 同博士課程学生(研究当時)、大日輝記 同講師らの研究グループは、皮膚の表面にあるTRAF6という細胞内シグナル伝達物質が、乾癬(かんせん)の発症や持続に必須であることを発見しました。

この研究成果は、2018年8月9日に米国の国際医学誌「JCI Insight」のオンライン版に掲載されました。

概要

乾癬の患者数は世界人口の約3%と非常に多く、近年、抗TNFα抗体など免疫の働きを抑える抗体を永続的に注射する治療が効果を上げていますが、治療費が高額であり、また使用中に抗体が効かなくなる患者の割合が2、3割にのぼる場合もあるため、新しい安価で安全な治療が求められています。

本研究グループは、皮膚の表面の表皮という部分に細胞内シグナル伝達物質「TRAF6」のないマウスは、乾癬にみられるような免疫の働きがおこらず、乾癬を発症しないことを発見しました。さらに、このマウスの皮膚にIL-23というサイトカイン(免疫調節因子)を注射して、乾癬に特徴的な免疫異常を誘導しても、やはり乾癬の発症は抑制されました。

本研究結果により、表皮の働きが、乾癬の皮膚にみられる免疫の異常な活性化に必須の役割をもつこと、また、皮膚の表面の細胞にあるTRAF6は、皮膚での異常な免疫の活性化による乾癬の発症やその持続に必須であることが明らかになりました。

本研究成果により、免疫の異常により産生される物質ではなく、その上流で免疫を調節する皮膚の働きが、新しい治療の標的となりうることが示されました。TRAF6が、抗体医薬に代わる新しい治療の標的となり、抗体医薬による治療のさまざまな課題を解決する可能性が期待されます。

研究者からのコメント
大日 講師
京都大学の皮膚科学では乾癬の新しい治療標的を見つけました。当時大学院生だった松本玲子さんが中心となり、皮膚の表面の細胞にTRAF6という物質がない動物では乾癬という皮膚の病気にならないことを明らかにしました。乾癬の患者さんは世界に1億人以上いると見つもられていて、現在の治療の課題を克服できる新薬の開発に希望をもてます。

 

乾癬は治りますか

乾癬どうやったら治りますか

現在では、100%有効な治療方法は、見つかっていないです。しかし、医療技術の進歩で、最新の治療法が発明されることで、乾癬の症状が現れないようにすることは可能です。
新たなナローバンドUVB紫外線治療生物学的製剤も登場するなど、乾癬治療は完治可能の時代がやってくます。

ナローバンド UVB は,ピークだけでなく、波長域 311~312nm 放射帯域幅の非常に狭い光源であり,TL01(フィリップス(Philips)社製)というランプが用いられます。
ナローバンドUVB紫外線で乾癬に当たることは、リンパ球の増殖を押さえることにより、乾癬(かんせん)の症状を改善させるといわれています。
またナローバンドUVBは副作用が少ないで、短時間での治療が可能です。
2002 年国産ナローバンド UVB 照射機器が発売するとともに,ナローバンド UVB は、初めに大学病院で、一般診療として幅広く皮膚科診療で使用されるようになります。
海外において、家庭用ナローバンドUVB治療器を利用し、家で治療する患者も多いです。
私も、そのような家庭用ナローバンドUVB照射機器を利用し、通院できない日々でも治療が続けられます。この小型ナローバンドUVB照射装置が無ければ、私の乾癬の症状改善はあり得ませんでした。

家庭用ナローバンドUVB照射機器(Philips製ナローバンドUVBランプ使用)

日本語での対応は可能です。

生物学的製剤とは、化学的に合成した物ではありません、生物が合成する物質(タンパク質)を利用して作られた治療薬です、乾癬治療に対して、良い効果を発揮します、すへての患者さんが知れを使用できるわけではありません。
また、日本皮膚科学会が決めた病院でのみ治療をうけることが可能です。
乾癬の発症には免疫の異常が関与しており、TNF-α、インターロイキン(IL)-23、IL-12、IL-17などの「サイトカイン(免疫を調節する物質)」が過剰に作られることにより、皮膚症状や関節症状が引き起こされると考えられています。

乾癬の治療に使用した生物学的製剤は、これらのサイトカインの働きを抑えることが可能で、症状を改善します。
他の治療法で効果が見られない場合に用いられます。
現在、使用可能な生物学的製剤には、皮下注射(皮下脂肪の部分)するもの(方法)と、点滴投与するもの(方法)があります。
免疫を抑える働きがあるために、感染症にかかりやすくなることがあります。
それで、定期的な検査と、普段から、小さい病気(風邪など)の感染症にかからないよう注意する必要があります

現時点では、生物学的製剤による治療を受けられる施設は日本皮膚科学会が認めた施設に限定されています。
生物学的製剤による治療を受けたい場合には、皮膚科専門のお医者さんに相談する必要があります。
日本皮膚科学会のホームページに掲載されている「生物学的製剤承認施設一覧」を確認してみてください。
下記のリンクをクリックし、ご確認ください。

生物学的製剤承認施設一覧

乾癬は慢性の疾患であります、良くなったり、悪くなったりを繰り返します。その治療は数十年間をかかることもあります。同じ治療をしていても、そのときの体調や環境などの違いによって再び悪くなってしまうこともあります。

乾癬の症状が悪くなるときには、何らかの原因があるか考えてください。乾癬は、積極的に、治療するのは大事ですが、普段の生活習慣に注意すべきこもあります。
乾癬を良くなるためには、過度の肉体的、暴飲暴食、偏食、風邪、トレスなどにかからないように注意してください。日常生活における乾癬の症状を悪化なる原因を見つけだすことも重要です。
乾癬治療技術の進歩で、きっと、いつか、乾癬は難病ではなく、完治する病気になる日がやってくると思います。
現在点、焦らず、気長に乾癬と向き合って、ナローバンドUVBの治療、生物学的製剤の治療を受けてみてください。

乾癬治療にヒト型抗ヒトIL-23p19抗体登場(2018年)

2018年3月23日、乾癬治療薬グセルクマブ(商品名トレムフィア皮下注100mgシリンジ)の製造販売が承認された。適応は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿胞性乾癬、乾癬性紅皮症」、用法用量は「1回100mgを初回、4週後、以降8週間隔で皮下投与」。
乾癬は、青年期から中年期に好発する厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑を臨床的特徴とする慢性再発性炎症疾患。世界の人口の約3%、日本では人口の約0.3%が罹患しているといわれている。乾癬患者の大半が皮膚以外に症状を伴わない尋常性乾癬だ。罹患患者は少ないが乾癬の諸症状の他に、全身の関節に炎症、こわばり、変形などが生じる関節症性乾癬では、関節の変形は不可逆であるため、積極的な治療が不可欠となっている。
乾癬治療では、従来からステロイド外用療法、光線線療法、または内服のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル他)、エトレチナート(チガソン)などの全身療法が行われており、さらに近年、抗TNFα抗体の皮下注射製剤アダリムマブ(ヒュミラ)および点滴静注製剤インフリキシマブ(レミケード他)、抗IL-12 /23p40抗体の皮下注製剤ウステキヌマブ(ステラーラ)、抗IL-17 A抗体の皮下注製剤セクキヌマブ(コセンティクス)およびイキセキズマブ(トルツ)、抗IL-17受容体A抗体の皮下注製剤ブロダルマブ(ルミセフ)などの生物学的製剤による抗体療法も可能となり、治療選択肢が広がっている。
乾癬は正常の約30倍にもおよぶ表皮細胞の異常増殖亢進を特徴とし、その病態にはT 細胞が重要な役割を担っていると考えられている。その病態にはヘルパーT 細胞17(Th17)が大きく関与していると考えられており、IL-23はTh17の活性化を促すとされている。
グセルクマブは、IL-23のp19サブユニットタンパク質と結合することで、IL-23を介した生物学的作用を抑制するヒト型免疫グロブリンG1λ(IgG1λ)モノクローナル抗体である。承認時までの日本人を含む乾癬患者を対象とした国内外の臨床試験などから本薬の有効性および安全性が確認されている。
国内第3相臨床試験を併合した本薬投与症例の検討で27.1%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められている。主なものは注射部位紅斑(6.3%)、上気道感染(4.2%)だった。重大なものに重篤な感染症、重篤な過敏症が報告されている。

寄生虫の卵を飲んで病気治療へ(慈恵医大が研究)

寄生虫の卵を飲んで病気治療へ 慈恵医大が研究
2017年12月13日18時09分

東京慈恵会医科大は、寄生虫の卵をのませて免疫状態に変化を起こす治療法の臨床試験を始める。まずは安全性を確認する。寄生虫によって一時的に感染症を引き起こすことで免疫システムを調節し、皮膚の病気・乾癬(かんせん)や潰瘍(かいよう)性大腸炎などの患者への効果が期待されるという。

「豚鞭虫(ぶたべんちゅう)」と呼ばれる線状の寄生虫の卵を健康な男性にのんでもらう。卵からかえった虫は腸に寄生、約2週間後に便とともに排出されるという。この虫は豚やイノシシに寄生し、下痢などを引き起こす。欧米での臨床研究では卵をのんだ人の便が軟らかくなるなどの事例はあったが、重い副作用は報告されていないという。
免疫システムは、細菌やウイルスに反応するタイプと、寄生虫や花粉に反応するものがある。一方が働くともう一方は抑えられ、バランスをとりあうとされる。乾癬や炎症性の腸の病気の患者は、細菌に反応する免疫システムが過剰に働いているとみて、寄生虫にわざと感染させ、病気の症状を抑えようとするのがこの治療法のねらいだ。
嘉糠洋陸(かぬかひろたか)教授(寄生虫学)は「長い歴史から見れば、寄生虫など自然との共存が本来のかたち。アニサキスやサナダムシなどの寄生虫は日本人にとって身近な存在。効果が示せれば、この治療法も受け入れられるだろう。慢性化しやすい腸の病気などの治療法の選択肢を増やすことにつなげたい」と話している。

https://www.asahi.com/articles/ASKDG5W3NKDGUBQU01H.html
From 朝日新聞

「乾癬」治療の最新事情

新たな技術で劇的に変化、「乾癬」治療の最新事情

「乾癬(かんせん)」と聞いてすぐにどんな病気なのか思い浮かぶ方は、少ないのではないでしょうか。患者さんに「これは乾癬という病気です」と言っても、「?」という顔をされることが多いです。

実はここ5年間ほど、皮膚科医の中で乾癬はホットなトピックになっています。なぜかというと、治療がわずか数年で進歩し、症状が重い場合にも注射の薬でうまく治療できるようになったからです。今回は、その最新治療を具体的に紹介していきましょう。

乾癬とは
乾癬は、皮膚が赤くなりがさがさする病気としてはアトピー性皮膚炎の次に多いもので、区別がつきにくい場合もあります。私のところに来た患者さんでも、今まで湿疹として治療されてきたけれどなかなか治らない、という方がよく見ると乾癬だったということが何度かありました。頭皮、肘や膝の表側にできやすく、アトピー性皮膚炎とは違って、がさがさした赤い部分の周りの境界がはっきりしています。


乾癬の症状。皮膚が赤く、がさがさに。まわりとの境界がはっきりしているのが特徴。

アジア人ですと0.5%、つまり200人に1人ほどが乾癬です。結構多いという印象をもたれると思いますが、実際に電車の中で偶然目にすることもまれではありません。ちなみに白人では2%、つまり50人に1人が乾癬なので、街中でもよく見かけますし、アメリカではメジャーな病気として扱われています。

重い症状にも効果の高い新薬が登場
この乾癬には、症状が軽い場合にはぬり薬を使いますが、重い症状に劇的に効く、という薬がつい5年前まではありませんでした。飲み薬や紫外線を当てる治療はあったものの、効果が不十分だったのです。

2010年に「レミケード」と「ヒュミラ」という注射薬が保険の範囲内で使えるようになり、それが大きく変わりました。3ヶ月間、注射を2週間~2ヶ月程度の間隔で使うだけで、ほとんどのがさがさした赤みが消えてしまう、という薬です。しかも、ヒュミラは点滴ではなく、予防接種のように皮膚に刺すだけの注射なので、痛みも少ないですし簡単です。病院を定期的に受診して問診や血液検査、レントゲンを受ける必要はありますが、それ以外は自宅にて自分で注射している患者さんもいるくらいです。

注射は副作用が大きいのでは 、と心配される患者さんも多いのですが、以前使われていた飲み薬よりは副作用が少なく、定期的に検査をしていれば安心に使えます。わずかに結核にかかりやすくはなりますが、検査を受けていて実際に結核になる方はまれです。

さらに、2011年には「ステラーラ」という注射薬が登場しました。この薬は 3ヶ月に1回の皮膚への注射でいい皮膚の状態を保てます。しかも、結核に対するリスクも少ないです。

重症の乾癬。範囲が広くぬり薬では難治。新しい注射薬の出番です。

2015年に入ってから「コセンティクス」というさらに新しい注射薬も出ました。また、ほかにも治験(新しい薬が認められる前にテストすること)の最終段階にきている注射薬がいくつかあるので、これから数年のうちにまだいくつか新しい注射薬が発売になることと思います。この中には今ある注射薬よりもさらに効果が高く、より注射の間隔を長くできるとされているものがありますので、乾癬の治療はより便利になっていくことでしょう。

ただ、これらの注射薬でも一定の間隔で打ち続けなければ効果を保つことはできません。乾癬そのものを直しているのではなく、乾癬の勢いを抑えているからです。それでも注射薬のおかげで、Tシャツを夏に着られるようになったと大喜びしていた患者さんがいるように、生活は大きく変わります。

それ以外にも、アメリカでは2014年から乾癬に使われている「Otezla」という飲み薬があります。これは1日2回飲むだけで採血もいらない、というとても使いやすい薬です。現在、注射薬は日本皮膚科学会が認めている大きな病院でしか使えませんので、Otezlaが日本でも認められれば、クリニックでもできる治療の幅が広がる可能性があります。効果は注射薬にはかないませんが、注射を打つほどではないけれどぬり薬では症状を抑えられない、という場合にいい選択肢になることと思います。

新薬の効果が高いにもかかわらず副作用が少ない理由
なぜ新しい注射薬は副作用が少ないのによく効くの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。カゼをひいたときに、自分の体の中の免疫が働いて細菌やウイルスを攻撃するのと同じように、皮膚にも免疫の力があります。この自分自身の皮膚免疫が異常になってしまい起こるのが乾癬です。以前から乾癬に使われてきた薬は体内の免疫全体を抑えて治す、というコンセプトだったため、感染症になりやすくなる、ほかの臓器にもダメージを与える、という強い副作用がありました。

しかし、2010年以降に出てきた新しい薬は免疫のうちごく一部、乾癬の原因になる部分だけを抑える治療なので、副作用が少ないのです。しかも乾癬の原因となっている異常な免疫(TNF-α、IL-23、IL-17と呼ばれます)をピンポイントでブロックするので、効果は高くなるというわけです。ここ10年の研究によって異常な免疫の原因がわかり、そしてそれをブロックする技術が開発されたことで可能になった治療法なので、まさに最新の研究成果が生かされて劇的に治療法が変わったのが乾癬と言えます。

このように特定の原因をブロックすることで病気を治す、という治療法はアトピー性皮膚炎や皮膚ガンにも広がりつつあります。これらの病気の最新治療についても、今後お伝えしていきたいと思います。

From 皮膚の健康ガイド

乾癬治療が血管炎症も改善?

乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、血管炎症ならびに将来の心血管イベント増加との関連が知られている。一方、炎症はアテローム性動脈硬化の進展において重要である。米国・国立衛生研究所のAmit K. Dey氏らは、乾癬患者における皮膚の炎症の治療と血管性疾患の関連を検討する前向きコホート研究を行い、乾癬の皮膚重症度(PASIスコア)の改善が大動脈の炎症の改善と関連していることを明らかにした。とくにPASIスコアが75%以上改善した場合に、大動脈の炎症の改善がより大きいことが観察されたという。結果を踏まえて著者は、「皮膚など遠隔標的器官の炎症をコントロールすることで血管性疾患が改善するかもしれない」と述べ、無作為化臨床試験で今回の結果を確認する必要性を強調した。JAMA Cardiology誌オンライン版2017年5月31日号掲載の報告。

研究グループは、乾癬の皮膚重症度の変化と血管炎症の変化との関連を調べるとともに、血管炎症に対する抗TNF製剤治療の影響を検討する目的で、外来診療を受診した乾癬患者連続115例を登録し1年間追跡した。試験期間は2013年1月1日~2016年10月31日で、2016年11月に解析が行われた。

皮膚炎症はPASIスコアで、血管の炎症は18FDG-PETによるtarget-to-background ratio(TBR)で評価した。

主な結果は以下のとおり。

・115例の1年追跡時の平均(±SD)年齢は50.8±12.8歳で、68例(59%)は男性であった。
・コホートは、軽度~中等度の乾癬(PASIスコア中央値:5.2、四分位範囲:3.0~8.9)を有しており、フラミンガムリスクスコアによる心血管リスクは低かった。
・1年間追跡した後のPASIスコアは、中央値で33%改善していた(局所療法で60%、生物学的製剤療法[大部分は抗TNF製剤]で66%、光線療法で15%、p<0.001)。
・乾癬のPASIスコアの改善は、TBRの6%改善と関連していた。
・この関連は、従来のリスク因子を調整後も認められ(β=0.19、95%信頼区間[CI]:0.012~0.375、p=0.03)、抗TNF製剤で治療された場合が最も強かった(β=0.79、95%CI:0.269~1.311、p=0.03)。

(ケアネット)公開日:2017/06/20

民間療法について

民間療法は、漢方や温泉などさまざまなものがありますが、科学的に効果を検証していないものが少なくありません。民間療法は自己判断で行わず、必ず主治医に相談しましょう。

病院で、「乾癬は、原因不明で、根本的な治療がない」と言われると、誰しもショックを受けます。そのため、多くの人が、「そんなことはない。治る方法があるはずだ」と、民間療法を試すことがあります。民間療法には、漢方、温泉、キノコ、お茶、水などさまざまなものがありますが、いずれも科学的に効果を検証した研究データがない場合が多いです。高額な料金を請求されることや、むしろ乾癬の症状を悪化させることもありますので、みだりに民間療法を試すことはやめましょう。

「乾癬は、原因不明で、根本的な治療がない」ことは正しいことですが、最近では乾癬の原因も明らかになってきており、根本的に治せなくても、皮疹のない状態を長期間保つことのできる有効性と安全性に優れた治療方法(対症療法)は多くあります。皮膚科専門医のもとで、症状とライフスタイルに合った、科学的根拠がある適切な治療を受けましょう。民間療法を行う場合は、皮膚科専門医に必ず相談してください。

●漢方
漢方薬だけで目立った改善効果があることは少なく、あくまでも補助療法として、患者さんの体質に合わせて用いることがあります。服用する際は自己判断をせず、必ず主治医に相談してください。

●温泉
日本では古くから皮膚病の温泉湯治が盛んです。乾癬に効くとされる温泉(別府ミョウバン温泉、草津温泉、北海道豊富温泉など)もあるようです。また、温泉は、気分転換やリラックス効果も期待できます。ただし、硫黄泉など、温泉の成分によっては、肌にあわず刺激感を生じることもあるので、注意しましょう。

ブロダルマブ(ルミセフ)【新薬】

IL-17の受容体Aに結合する新機序の乾癬治療薬

2016年7月4日、乾癬治療薬ブロダルマブ(商品名ルミセフ皮下注210mgシリンジ)の製造販売が承認された。適応は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」。1回210mgを初回、1週後、2週後に皮下投与し、それ以降は2週間間隔で皮下投与する。

乾癬は青年期から中年期に好発する慢性再発性炎症疾患で、厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑を臨床的な特徴とする。世界の人口の約3%(約1億2500万人)、日本では人口の約0.1~0.3%が罹患していると推測されている。乾癬になりやすい遺伝的素因を持った人がさまざまなストレスにさらされることで発症すると考えられているが、未だ原因の解明には至っていない。約90%の乾癬患者は皮膚以外に症状を伴わない尋常性乾癬であるが、乾癬の諸症状の他に、全身の関節に炎症・こわばり・変形などを生じる関節症性乾癬も存在する。罹患患者は少ないものの、関節の変形は不可逆性であるため、より積極的な治療が不可欠となっている。

従来の乾癬治療では、ステロイド外用療法、紫外線療法、または内服のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラルなど)による全身療法が行われている。さらに近年では抗TNFα抗体の皮下注射製剤アダリズマブ(ヒュミラ)および点滴静注製剤インフリキシマブ(レミケード)、抗インターロイキン(IL)-12 /23p40抗体の皮下注製剤ウステキヌマブ(ステラーラ)、抗IL-17 A抗体の皮下注製剤セクキヌマブ(コセンティクス)などの生物学的製剤による抗体療法も可能となり、治療選択肢が広がっている。

ブロダルマブは炎症性サイトカインであるIL-17Aの受容体Aに特異的に結合するヒトIgG2モノクローナル抗体で、IL-17AやIL-17Fなどによるシグナル伝達を阻害する。IL-17Aを標的とした点で異なっている抗体製剤にセクキヌマブが存在するが、ブロダルマブは受容体に結合する。IL-17A受容体Aに対する抗体としては世界初の薬剤で、国内および海外臨床試験にて有効性および安全性が確認された。

国内外の臨床試験を併合した解析結果から、35.6%に副作用が認められていることに十分注意する。主な副作用は上気道感染(5.1%)、鼻咽頭炎(3.7%)、頭痛、関節痛(それぞれ2.1%)、そう痒症(1.9%)、疲労(1.7%)、口腔カンジダ症(1.6%)などであり、重大な副作用は重篤な感染症(0.8%)、好中球数減少(0.7%)、重篤な過敏症(0.02%)が報告されている。

またブロダルマブと同時に、既存のセクキヌマブと同じ作用機序を有する抗IL-17 A抗体イキセキズマブ(トルツ)がシリンジ、オートインジェクターの2製剤で承認された。オートインジェクターとはボタンを押すだけで注射が可能な、安全性や簡便性を考慮したデバイスのこと。